4月27日、森会長を含め7名の秘密工作部隊が午後5時30分に商工会館へ集結した。
今回のミッションは能代YEG総会への潜入、そして来る大館YEG30周年時に向けて、能代メンバーの拉致が重要な任務である。
工作部員の体調をベストに持っていくため、今回は特別車輌が用意され、敵の目を欺くため、
その車輌には「プラザ杉の子」のステッカーを貼っておいた。
これで7号線での検問は突破できるだろう。
能代到着までの車内では、今回の作戦を成功裏に収めるため、綿密な計画が討議され、
持っていった缶コーヒーはあっという間に飲み尽くされ、腹ごしらえのおつまみは食べ尽くされた。
なぜ「おつまみ」なのか、疑問を持ってはいけない。
能代到着後、敵の目に触れないように、我々は素早く最強兵器であるポン太君着ぐるみとキリコちゃん着ぐるみを
会場内に持ち込むことに成功した。プラザ都のフロントマンが我々の行動をニヤリと見つめていたが、
我々より先に潜入していた薮田が買収に成功したのだろう。
フロント突破には何の障害もなかった。
大館YEGに扮した我々は総会会場へと向かった。
同じYEGメンバーと信じて疑わない能代YEGのメンバーは「こんばんはー、ようこそ能代へ!」と明るく、
さわやかにあいさつしてくれるが、我々の目的を知ったらどう思うのだろうか…。
一人でも多くの人間を7月25日に大館まで拉致しなくてはいけない命令と、
こんなにいい人たちを拉致していいのかという良心のはざまに揺れ動く我々であった。
総会が始まり、能代の徳田会長や能代の市長さん、会頭さんらのいい話のあと、
岩佐県連会長の挨拶が「今日はいいニュースがあります…」という言葉に笹谷が鋭く反応したことはサプライズであった。
普段あまり感情を表に出さないポーカーフェイスの笹谷であったが、何か思うところがあったのだろうか…。
この答えはその15分後に解決したが、相変わらずのテクニシャン笹谷である。
この辺で忘れ物があったら持ってきて保険をかけていた佐々木が合流し、フルメンバーがそろった。
作戦は成功した。
徳田会長の「今日は大館さんから9名きてくれたので、
最低でも9名は参加しなくちゃね!」というセリフが耳に残っているが、まぁ、今日のところは勘弁してやろう。
きっと2桁の数字は確保したはずだ。俺達の作戦は始まったばかりだ…。
総務委員長 岩澤重人 記